「公務員を辞めたい!」
「でも公務員辞める人なんて、どこに行ってもやっていけないのでは?」
「辞めたくても辞めにくい!」
こんな心の叫びを持った、公務員の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はこの「公務員を辞めたい理由」をテーマにお話していきたいと思います。
私は国家公務員と地方公務員を経験しており、実際に現場で公務員退職者を見てきました。
そして私自身も公務員の退職経験があります。
一見ホワイトなイメージの公務員ですが、公務員を辞めたくなる理由にもちゃんとした裏付けがあるんです。
※私「ざく」のプロフィールはこちら
私も公務員経験者なので生の声をお届けできるかと思います。
Contents
公務員を辞めたい理由とは?
公務員の退職を考える人に多い理由をまとめてみました。
ほんの一部であるとは思いますが、ここでは私も共感する理由を抜粋しています。
人間関係
公務員を辞めたい理由で多いのがこの人間関係です。
私は上司にはっきり言われました。
「公務員の仕事は人間関係が大半だから、顔は広くなっておかないとね」
ということらしいです!
でも、この人間関係がうんざりなところが……確かに多いんですんよね。
年齢も若い人からご年配の方まで幅広いので、付き合いの難しい場面が多いです。
まぁ、これは公務員というより民間の会社でもつきまとうことなんですが…。
残業が多い
2ちゃんねるに「市役所激務配属先ランキング」なるものが存在するように、公務員も配属先によってはブラックな部署が存在します。
一見ホワイトなイメージの公務員ですが、異動によっては激務部署に配属されるなど、少なからずブラックな環境があります。
国家公務員時代に聞いた話だと、国家総合職の本省勤務などは終電や徹夜は当たり前の世界だそうです。これは国家公務員時代の同僚で本省に出張していた職員から聞いた話ですからリアルな現場の声ですね。
国家総合職はキャリアと呼ばれているだけあって昇進も早いのですが、仕事の内容的にかなりの志の高さが求められます。
また、私が過去に所属していた部署も繁忙期では、時間外はもちろん土日祝日まで出勤するところもありました。
このように公務員の仕事が意外と忙しくて、残業が多いというギャップも退職理由の一つだと言えますね。
※2ちゃんねる「市役所激務配属先ランキング」の詳細については、下記の記事をどうぞ
給料が安い
公務員の給料は安いという印象が多いようです。
ただ公務員の給料は民間企業の平均値をとっているので、突出して高いというわけではありませんが極端に低いというわけでもないんです。
確かに大企業と比較すれば低い給料なのでしょうが、公務員も6月と12月にボーナスの支給があるので、それも踏まえると安すぎるとは言い難いですね。
また公務員の給料は年功序列で誰でも上がっていきます。それこそ仕事ができる、できないに関わらずです。
バリバリ働いて稼ぎたいと思っている上昇志向が高い人ほど、このような公務員のしくみは合わないといえるでしょう。
仕事がつまらない
公務員の仕事は単調なルーチンワークが多いです。
これは部署にもよりますが、全体的に毎日同じような作業を繰り返す仕事が大半です。
まぁ、安定していると言えば安定している働き方なんですよね。
毎日、同じ作業を淡々とこなしたい人にはピッタリな仕事ですが、苦手な人はとことん苦手だと思います。
また、
・基本的に前例を踏襲してやる(前と同じようにやる)。
・やり方を大きく変えない。
・ルール通りにやる。
…といったように新しい変化に乏しい仕事が多くあります。
中には業務に関連した法律や制度が頻繁に変わるなど、変化に追われる仕事もありますが、大体の仕事は型にはまっていると言えます。
新しいことが好きで、チャレンジ精神が旺盛な人ほど仕事がつまらなく感じるでしょう。
私はぶっちゃけ公務員の仕事って、合う人合わない人が分かれると思っています。
もちろんやりがいをもって仕事に取り組んでいる公務員の方もたくさんいます。
その反面、仕事柄や雰囲気が性格的に合わないと感じている人もいます。
自分で仕事を面白くしていくことも大事だと言われますが、やはりつまらないものはつまらないし、合わないものは合わないです。
スキルが身につかない
いずれ独立して一人で仕事をやっていくスキルは身に付きません。
まずもって公務員は異動でたくさんの部署を回ることになるので、なかなか一つの仕事を極めるといったことができません。
ようやく仕事が身についてきたと感じた時に異動の時期が…なんてことはよくある話です。
国家公務員であれば、ある程度の専門性をもった仕事をやっていくので、着実にその分野での知識は身についていくでしょう。特に国税専門官などの国家専門職は勤務年数によって税理士の資格を取得できるなど明確に見に着くスキルがあります。
ただし、国家公務員でも全てが将来独立できるようなスキルが身につくわけではないです。
そもそも公務員の仕事はお役所という場所ありきの仕事なので、一歩外に出ると民間企業などで即時に活かせるものがないです。
また、転職という選択肢も公務員歴が長いほど難しくなっていきます。
そうなると…
・公務員を辞めたくても辞めれない
・組織にしがみついて定年まで持ちこたえる
上記のような状態にもなりかねません。
もちろん事務処理能力や、法律の知識など、全くノースキルというわけではないです。
ただし、それでも公務員が他業界へ転職する難易度は依然として高いので、将来的に転職も見据えるならば、明確なスキルを身に着けていくことが大切です。
※公務員の方にもおすすめな転職も狙えるスキルは、下記の記事を参考にどうぞ
スキルが生きにくい
民間企業経験者であれど、公務員へ転職すればそのスキルを活かせる場所が少なくなります。
技術職の公務員などはその専門性と採用区分から知識やスキルを生かせる場があるのですが、それも配属された部署次第といったところです。
とくに市役所の一般事務職であれば、総合職がゆえに民間企業の時とは全く畑違いの仕事をさせられることも多いです。
私のいた職場でも、前職のデザイン関係のスキルが全く生かせないと嘆く方がいました。
このような前職と公務員のギャップのせいか、民間企業経験者の休職率が高かったように感じました。
体質が古い
何かをするたびに上司に伺いを立てたり、理由を説明したりと意思決定に時間がかかるのが公務員です。常に上司の許可や意思が必要になってきます。
というのも公務員において上の命令は絶対であり、法律にも上司の命令には忠実に従うよう明記されています。
たとえ疑問があっても上司が決めればそれに従うこと。従わなければ職務命令違反…
年功序列という体質が根強いため基本的に上の意見には逆らえません。
上司の機嫌取りのため、振り回されている職員も少なからずいます。
また大きな変化を嫌うため、新しい意見が通りにくいという環境があります。
仮に何かを変えるとしても上司を説得するための根拠をかき集めて、まとめて、理由をつけて説明してと…かなり面倒くさいです。
こういった古い体質に息苦しさを感じる方も多いようですね。
意外と普通にいる?公務員を辞めたい人
必ずと言っていいほど就活生の「就職したい企業・業種ランキング」で上位に入る公務員。
実はそんな公務員でも、辞めたいと考えてしまう現役公務員は普通にいるんです。
以下に少しだけ例を載せます。
公務員ですがつまらなすぎてやめたいです。
毎日窓口で怒鳴られるのが仕事です。
何も成長しません。
何のスキルも身につきません。
上司は高卒で、全く尊敬できません。
毎日変わらないルーチンワークを、あと40年も続けることに恐怖を感じます。
18歳公務員です。
仕事やめたいです。
仕事や職場に不満は特にありませんが定年までずっと同じ場所で働くのがもったいなく感じます。
若いうちにいろいろなことに挑戦してみたいと働いてから気づきました。
地方公務員から国家公務員(外務省)へ転職しようと思います。
部署が課税課ということもあって、問い合わせ、クレームを毎日何百件と受け続けるがもう限界です。
とにかく市民と関わりたくない。という気持ちでいっぱいです。国家公務員になればそれがなくなるとは思ってませんが、今よりは確実に減るはずです。
公務員を辞めたい理由は人それぞれ
私が国家公務員だった時、同期の退職者第一号は私でした。
理由としてはもともと地方公務員志望であり、転勤生活がいやだったからというのが主な理由です。そして第2の理由が「人間関係」と「仕事がつまらない」でした。
そして続く地方公務員を辞めたいと思ったのは、国家には同じく「仕事がつまらない」という理由と「何も身につくものがない」というものでした。
私は退職した後でも4月の異動の時期に旧職場のホームページで人事異動のデータをちらちらと見ていたんですが、驚くことに私の知っている役職者や若手の職員がぞろぞろ退職していたんですね。
特に私と同じ課に所属していた、とても面倒見のいい上司の方が退職していたのには驚きました。
後日、その上司の方と飲む機会があったのですが、副業に専念するために退職をしたと言っていました。
また役職が上がることに否定的な方だったので、昇進のタイミングも重なって退職の判断をしたそうです。
このように公務員を辞めたいと思う理由は人によって様々です。
公務員と言えば一般的に、
・収入が安定している
・福利厚生が充実
・ワークライフバランスが実現できる
といわれるような魅力があり、公務員を辞めようと思う人はいないと思われがちですが、実は意外と公務員の退職者は普通にいるんですよね。
公務員を辞める人は普通にいます
総務省の平成29年度「地方公務員の退職状況等調査」によれば平成29年度に退職した地方公務員は130,256人だそうです。
平成28年度の同調査が128,981人だったので、退職者が増加している傾向にあるようですね。
おわりに
さて今回は「公務員を辞めたい理由」をテーマでお話してきました。
公務員は就活生に人気があり魅力もある仕事なのですが、いざ公務員になると辞めたい人も少なからず出てくるようです。
私も公務員を辞めた経験があるのでその気持ちはわかります。
人には合うもの、合わないものがあります。公務員って実際に中に入ってみないと何やってるか分からないものです。
なので公務員になって辞めたいと思う人が出てきても何もおかしくありません。
公務員になるまでは自分に合ってる仕事かどうか判断しようがないですからね。
ただ一つだけ私がお伝えしたいのは、私にしても、私の上司にしても、辞めた後のことを考えて退職しているということです。
私が公務員を退職する際に一番心配されたのは辞めた後にどうしていくかです。
当たり前と言えば当たり前ですよね。明日から無収入なんですから。
私の場合は地元の公務員予備校に通いながらアルバイトをして地元就職を目指すという明確なビジョンがあったので、この辺の不安はありませんでした。
なので、公務員を辞めたいと思っている皆さんも勢いで退職するのは待った方がいいです。
自分の今後の進路、人生の計画をじっくりと考えて計画的に行動するようにしてください。
有給休暇が余っているなら、消化して自分自身をもう一度見つめなおしてみましょう。
公務員であれば休職というセーフティーネットもあります。現状が辛ければ、休職をして一旦気持ちを整理してみるのもいいですよ。
いずれいせよ、退職してしまう前にある程度次の行動を決めておくこことが大事です。「辞めてしまったけど、これからどうしよう」と後から考えたり、「何で公務員辞めてしまったんだろう」と後悔するのだけは絶対に避けるべきです。
ジャンプの漫画「銀魂」の主人公である銀さんが言っていましたが、まさしく・・・
「一時のテンションに身を任せる奴は身を滅ぼすんだよ!」
ということですね!
後悔のない人生を送れるようにしていきましょう。
そしてどうやったらその理由を無くせるかを考えてみよう。
辞めること以外で解決できるなら次は行動に移してみることだ。
退職も転職も慎重にね!
それでは今回はここまで!
最後まで読んでいただきましてありがとうございます!