■国家公務員A
「地方公務員は転勤がなくていいなぁ」
「地方公務員は地元に住めるし、実家から通勤できていいなぁ」
■地方公務員B
「国家公務員は1つの仕事を専門的に続けられていいなぁ」
「国家公務員は市民からクレーム受けることも少ないんでしょ?」
こんな心の叫びを持った現国家公務員の方、現地方公務員の方も多いのではないでしょうか?
どうしても今の職場より、他の職場がよく見えてしまうことってありますよね?
そこで地方と国家公務員の両方を経験した私が、公務員から公務員へ転職をすることでわかった現場の様子をさくっとお話しいたします。
※この記事は以下の方を対象にしています
・なんとなく公務員になって、公務員から公務員への転職を考えている方
・公務員の仕事や職場環境が悩みで、公務員から公務員への転職を考えている方
・本当に公務員が自分に合っているのか迷っている方
※私「ざく」のプロフィールはこちら
それで、転職できて満足できたのかい?
今日は私が聞いてあげよう
まぁそうだね、確かに転勤生活がいやで地方公務員になったよ
ただ、ぶっちゃけ地方に転職して改善できたのは、転勤がなくなったことぐらいだったなぁ…
Contents
国家公務員の悩み
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ここでいう国家公務員は私が経験のある国家一般職をベースにしています。
国家公務員の方に一番多い悩みは、
・転勤!
やはりこの転勤があることではないかと思います。
国家公務員の全てとは言えませんが、大多数が生涯転勤族となります。
私も国家一般職に採用されて約2年半で県をまたぐ異動になりました。
初めての異動による転勤だったわけですが、これがまた非常に面倒でした。
具体的な面倒だったことは以下のとおりです。
・引っ越しの準備が手間
・引っ越し代がかかる
・次の物件探しが手間
引っ越しの準備が手間
言うまでもないようなことですが、引っ越しの準備がとにかく面倒です。
公務員宿舎を利用している方であれば、退去時に修繕費などの費用が発生する場合もあるし、民間賃貸でも原状回復が必要ですよね。
こんな面倒なことを異動のたびにやっていかなければなりません。
異動の時、地方公務員であれば基本的にやるのは事務机のお片づけくらいです。
なので私は1度異動を経験した後、部屋になるべくモノを置かないようにしてました。引っ越しの際に移動が面倒になると思ったからです。
本当は部屋にこだわりたい派なんですけどね…。
このあたりは国家公務員ならではの悩みです。
ただし、地方公務員でも県庁職員や面積が広い自治体の職員は部署によって引っ越しする必要が出てくるかと思います。地方公務員であれば引っ越しがないというわけでもないのでご注意ください。
引っ越し代がかかる
私は一人暮らしだったし、荷物も少なかったので引っ越しの費用は10万前後の費用でした。
しかし、家族世帯であればもっと高額になると思います。
赴任旅費(引越し手当)は支給されますが、距離や世帯によって金額が決まっています。
基本的に全額支給されることはないので、どうしても自腹が発生してしまいます。
次の物件探しが手間
3月や4月などの引っ越しシーズンになるとなかなか物件も見つけづらいです。
私も不動産業者の人に案内されていくつもの物件をはしごしました。
公務員宿舎も定員があるので新しい宿舎なんかはすぐに埋まったりします。
ちなみに公務員宿舎に異動で退去する知り合いがて、入れ替わりで入居していた職員もいました。
そして、やっとこさ物件を見つけて住み慣れたころに異動になったりもします。
国家一般職時代の同期などは転勤で住み始めた住居を、たった1年足らずで退去を余儀なくされました。
1年という短期間で異動が発生したんですね。
かなり物件探しに時間をかけていたらしいので、さすがに可哀そうでした。
地方公務員の悩み
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私は国家公務員に多い悩みの「転勤」が原因で地方公務員に転職をしました。
ちなみにここで言う地方公務員は私が経験のある市役所をベースにしています。
しかし地方公務員になると、今度は地方ならではの悩みにぶつかることになります。
具体的には以下の通りです。
・イベントなどで土日祝日の出事が多い
・台風や大雨などの自然災害で出事が多い
・部署が変わると転職したかのように仕事が変わる
・ホントに結構な市民の生の声がとんでくる
イベントなどで土日祝日の出事が多い
まあ、国家公務員の時と比べると市役所はいろんなイベントに参加する機会が多いですね。
市民あげてのイベント時なんかはすぐに動員がかかります。
もちろんボランティアとしての参加や選挙の時の選挙事務。清掃活動など内容はさまざまです。
いろいろと貴重な体験をできるので、イベントが好きな人には良いでしょう。
台風や大雨などの自然災害で出事が多い
これは市役所に勤める人が特に多いです。
国家公務員時代は事務職だったということもあり自然災害で出勤することはありませんでした。
台風が来ても「今日、風強いし職場に行けるかな~」くらいの心配でした。
これが市役所になると大雨や台風で避難所が開設されるたびに召集がかかります。
当然ですが自然災害の召集は、土日祝日、時間外、など関係なしです。
特に最近は大雨の被害が増えていますよね?つまりそれに比例して市役所職員などの出事も増加しているわけなんです。
避難所従事はグループごとに分かれており、だいたいローテーションで順番を回していくような形です。
市民の安全を守るためにも避難所従事は重要なのですが、長時間の従事は職員にとって結構に負担が大きいこともあるようです。
部署が変わると転職したかのように仕事が変わる
国家公務員は各省庁の系列ごとに、ある程度専門性のある仕事をやっていくことになります。
それぞれ業務内容は違えど、相互にリンクしているような仕事が多いです。
しかし市役所の仕事は総合職なので畑違いの仕事をガンガンしていくことになります。
なので、せっかく仕事を覚えても異動で部署が変われば180度内容が違う仕事をさせられることもあります。
ホントに結構な市民の生の声がとんでくる
市民と一番近いところで公務に励んでいるのが地方公務員ですから、当然と言えば当然です。
私も市役所に勤めている時に、市民からたくさんの要望やクレームを受けては対処してきました。
特に環境関係の部署にいる時は「今日はどんなクレームが来るんだろうか…」という思いを持ちながら出勤していた時があります。
常に市民に見られているという意識を持って働いていかなければなりません。
裏方でのサポートが多い印象だね。
地域のイベントには参加する機会は多いよ
公務員から公務員へ転職し悩みを改善できたか?
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国家公務員から地方公務員に転職して改善できたのは、「転勤をしなくてよくなった」ということだけでした。
この転勤の存在が国家公務員を退職した一番の理由だったので、この点に関しては満足をしています。
しかし、私は国家公務員の時に転勤とは別の悩みも持っていまして、地方公務員に転職することで改善できるのでは?と思っていたふしがあります。
具体的には「人間関係」と「仕事のやり方」です。
国家公務員時代というのは私自身が初めて社会人となった最初の場だったということもあり、自分の勤めている職場以外が全てよく見えていた時期でした。
「今の職場の人は変わった人が多い」とか「地方に行けば仕事もバリバリ頑張れるはずだ」
何の根拠もなくこんなふうに思っており、地方公務員への転職を目指していました。
しかし、地方公務員になっても結局この2つの悩みって解決しなったんですね。
人間関係
国家公務員時代は上司や先輩職員とウマが合わずに苦労した部署もありました。
私が社会人として未熟だった点もあるんですが、それでも人間関係の乱れというものは結構に仕事をしていく上で弊害になっていました。
正直にいうと、転勤の次にこの人間関係がいやになったのも転職を考え始めた理由だったんですね。
まぁ当然ですが、これは地方公務員になったからと言って解決する問題ではありませんでした。
どこに行ったって、変わった人はいます。
嫌な人はいます。
合わない人もいます。
面接試験でも「自分と意見や気が合わない人と一緒に仕事する時、あなたはどうしますか?」みたいな質問をよくされますよね?
これは人間関係が仕事に与える影響が大きいからです。
事実、私は国家公務員の時も、地方公務員の時も人間関係の悩みで休職されている方を見てきました。
これはもう地方だとか、国家だとかではなく組織で働いている以上仕方のないことと言えます。こちらが働く人を選べない以上はどんな人とでもうまくやっていくしかないんですね。
ですが、合わない人がいるということは合う人もいるわけで、幸い私は国家の時も地方の時も仲良く気の合う同年代の職員がいたので何とか楽しくやっていけました。
頼れる人が一人でも職場にいれば、なんとかやっていけるものですね。
仕事のあり方
具体的には以下のような仕事のあり方に不満を感じていました。
・何をするにも上司に伺いをたてて決裁をとる
・仕事内容の専門性が高い
まず公務員は国家であれ地方であれ何かをしたり、対外的に回答する時などは伺いを立てて上司の決裁を取らなければなりません。
決裁というのは上司のオッケーがでるまでは行動に移せないよというルールみたいなものです。
こういったボトムアップの意思決定方式はどこの公官庁でも同じ仕組みになっているはずです。
決裁を回す過程で上司に内容のダメ出し食らったり、理由の説明を求められたり…いろいろと融通がきかないんですよね。
このような仕事のやり方に息苦しさを感じていたんですが、これも地方公務員になったからといって変わりはしません。
市役所なども同じように、何かをするときは伺いを立てて上司の決裁をもらう…このような意思決定方式になっています。
公務員として働いていくならば慣れていく必要があると言えます。
また詳しい内容は伏せますが、国家公務員時代の最初に配属された部署では見たこともない法律を使った仕事をしていました。
国家公務員はある程度の専門性をもった仕事内容になっています。
それゆえに、最初の自分は…
「何でこんな専門的な法律を勉強しなければいけないんだろう?」
「何か自分のスキルになるわけでもないのに」
「どうせ異動したら使わない知識なんでしょ?」
「いろいろな仕事に取り組める市役所の仕事が自分の経験値を増やせるのではないか?」
こんなことを考えながら、地方公務員である市役所への転職を考えていました。
しかし逆に市役所は総合職なので多種多様な仕事をしていかなければいけません。
言い方を変えれば、1つのものを極める前に異動してしまうのでスキルを身に着けていくことが難しいです。
むしろ市役所は部署を変わるたびに転職したかのような新しい仕事を覚えていかなければならないのです。確かに仕事の経験はたくさんできるでしょうが、1回の異動のたびにゼロからのスタートになりやすいです。
よって、ある程度専門性をもって仕事をして行ける国家公務員の方が、長期的に考えれば畑違いの仕事をしていくリスクが少ないと言えるでしょうね。
地方公務員になって変わったのは、ホントに転勤がなくなったことぐらいだね。
公務員から公務員へ転職する前に
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公務員から公務員へ転職を目指す理由はいろいろとあるでしょう。
ただし、本当に自分が再び公務員になる方向性でいいのか?
生涯自分がここで働いていくことに疑問はないか?
もう一度考え直してみることをオススメします。
これはなんとなくで公務員を目指した方ほど考えて欲しいことでもあります。
今の公務員に対して何らかの不満があったとして、別の公務員になることで改善できればそれは大成功の転職といえるでしょう。
ですが私のように職場の人間関係だったり、公務員の仕事のあり方に対して不満を持っていて、それが主な転職の動機だとすれば転職先でも同じ不満を感じてしまう可能性があります。
地方から国家へ、国家から地方へ、公務員間の転職をしても正直言って仕事のあり方は大して変わりません。仕事の内容に違いはあれど、お役所仕事というのはどこでも同じような仕事をやっています。
また人間関係はどの組織でも関係してくる問題なので、別の公務員へ転職したからと言って改善できるものではありません。
私が転職先で「ホント公務員って良くも悪くも色んな人がいるな~」というのを生で体験しているので間違いありませんよ。
もう一度自分の進路を見つめなおしてみましょう
私の経験上公務員という仕事は
・ひたすらにGIVEの精神が求められる
・自分の特技や個性を生かせる場が少ない
・頑張った人でもそうでない人でも給料はあまり変わらない
こういった特徴がみられると思います。
自分が頑張った分だけ多く稼ぎたいなど稼ぎを重視する人や、自分のやり方でバリバリ行動して仕事をしていきたいという人には息苦しい仕事ではないかと思います。
また、優秀な職員は出世コースという名のもとに激務な部署に配属されやすいです。その一方で出世コースから外れた比較的楽な部署を回る職員もいます。しかし給与はあまり変わらないという状況…。
なにかと理不尽なことが多いのも公務員の特徴と言えますね。
こういった特徴を踏まえた上で、自分自身の将来設計をしてみましょう。
公務員以外にも視野を広げてみましょう
繰り返すようですが、私と同じような理由で別の公務員へと転職を考えている方がいらっしゃるなら、転職先の公官庁でも同じ悩みにぶち当たる可能性が高いです。
本当に自分は公務員として働きたいのか?
なんとなく公務員を選んでいるんじゃないか?
別の公務員へ転職して今の状況が改善できるのか?
是非このあたりをもう一度よく考えた上で、転職を考えてみてください。
ちなみに私は公務員から公務員へと転職活動中に公務員以外にも視野を広げていました。
公務員以外の仕事情報を調べることで自分の視野が広がります。
例えばですが、以下のような考えが少しでもある方は転職サイトで仕事を探してみることをオススメします。
・自分にスキルが身につく仕事がしたい(いずれ独立してやっていけるスキルが欲しい)
・自分のスキルを生かせる仕事がしたい
・公務員以外の事務職を探したい(例えば大学職員など)
私も当時は転職サイトで民間の求人を含めた様々な求人に目を通して視野を広げていました。
以下の転職サイトは無料会員登録で気軽にたくさんの求人情報を見ることができるのでオススメです。
リクナビNEXTは数ある転職サイトの中でトップクラスの求人数を持っている転職サイトです。
希望条件や職務経歴をあらかじめ登録しておくことで企業側からアプローチを受けることができる「スカウト機能」があるのも特徴ですね。
自分のスキルを活かした職業を希望する方や、いろいろな仕事を知って視野を広げたい方には特にオススメの転職サイトと言えます。
このような転職サイトで仕事の視野を広げることで、自分の目指したい新たな将来像が見えてくることもあります。
その上でやっぱり自分は公務員がいいと納得して思えたのなら、公務員から公務員へ転職する行動へと移していきましょう。
では今回の記事は以上です!
最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
転職は慎重に…か
公務員から目を離すことで見えてくる仕事もある。
転職っていろいろ大変だから、後悔のないものにしていこう。
![](https://zakunoblog.com/wp-content/uploads/2019/06/公務員から公務員へ転職の実態を解説!-1-320x180.jpg)