第3話(需要の価格弾力性)
・需要の価格弾力性とは?
需要の価格弾力性とは価格が1%変化した時に需要量が何%変化するのかを示す道具です。
価格に対する需要量の反応の大きさを示します。
公務員試験の経済原論でもよく出題されるテーマであり、必ずおさえておきたいところ。
式で表すと以下のようになります。
E(需要の価格弾力性)=需要の変化率/価格の変化率=ーΔD/D/ΔP/P=ーΔD/ΔP×P/D
簡単に言うと上記式の計算の結果、
・E=1ならば、価格の変化率=需要の変化率
・E>1ならば、価格の変化率<需要の変化率→弾力的
・E<1ならば、価格の変化率>需要の変化率→非弾力的
というように、弾力性は定義されています。
あと、式になんでマイナスがつくんすか~?
マイナスがつくのは需要の価格弾力性の値をプラスにするためだよ。
・需要の価格弾力性の身近な例
需要の価格弾力性の身近な例として電話料金などがあげられます。
夜間に電話料金の価格を上げると、電話の使用量、つまり需要量は下がってしまいます。
これは、翌日に電話かければ事足りるからです。
値上げされた料金を支払ってまで夜間に電話をかける必要はない、という人が多いからなんですね。
つまり夜間の電話料金というのは価格が弾力的だと言えるわけです。
式で表せば、E>1の状態になっています。
少し値段を上げただけでも、ガクッと使用量が落ちてしまうということですね。
逆に、昼間の電話料金は価格を上げても、電話の使用量、つまり需要量は下がりません。
これは、日常生活で昼間は電話を使わざるをえないからです。
仕事でも、プライベートでも、やはり電話を使う機会は昼間が多いですよね?
社会が昼型で回っている以上は、電話のやりとりも必然的にこの時間帯がピークになっているはずです。
故に、電話料金を多少値上げしたとしても、使用量にさほど影響はないことになります。
つまり昼間の電話料金というのは価格が非弾力的だと言えるわけです。
式で表せば、E<1の状態になっています。
このように、市場ごとの需要の価格弾力性を把握することで、適正な価格をつけることができるんです。
実際のビジネスの場でも導入されている考え方なので、実態とリンクさせるとイメージをつけやすいかと思います。
私にとっては、ゲームの価格は非弾力的だから!
・需要の価格弾力性に伴う需要曲線の傾き
需要の価格弾力性の考えとセットで押さえておきたいのが、需要曲線の傾きです。
需要の価格弾力性によって需要曲線の傾きが変わってきます。
ちなみに、需要曲線とは価格と需要量との関係を表現したものです。
縦軸に価格、横軸に需要量を置いて、価格と需要量の変化の軌跡をグラフに表したのが、需要曲線になります。
弾力的な財の需要曲線の傾きは緩やかになります。
非弾力的な財の需要曲線の傾きは急になります。
あまりイメージがつかない、という方はゴムボールをイメージしてみてください。
弾力性と需要曲線の関係は、よくゴムボールを投げつけた時の軌跡として表現されます。
上記のように、価格という縦軸の壁にゴムボールを投げつけた時に、価格の弾力性が小さければボールは弾まずに下に落下します。
よって上記のように需要曲線は傾きが急な需要曲線になります。
逆に、価格という縦軸の壁にゴムボールを投げつけた時に、価格の弾力性が大きければボールはいきおいよく弾みます。
よって上記のように需要曲線は傾きが緩やかな需要曲線になります。
需要の価格弾力性に限らず、○○の弾力性というテーマはこういった考え方が共通してあるので、ゴムボールのイメージを忘れないようにしておきましょう。
・公務員試験での筆記試験対策について
さて、基本的なイメージができるようになったら、あとは過去問を解いて実践力をつけまよう。
経済原論の過去問はスーパー過去問ゼミがおすすめです。
この過去問のPOINTというページに、需要の価格弾力性についての重要なポイントがまとめてありますので、そちらも是非参考にしてみてください。
経済原論の勉強法やおすすめの過去問、参考書は下記の記事でまとめておりますので、こちらも活用してくださいね!