公務員試験における官庁訪問とは
官庁訪問とは国家公務員試験の受験生に対して各官庁が行う採用活動の一環です。受験生にとっては、内定を掴むために自分をアピールする場だといえます。
国家一般職の場合は、受験生が実際に国家公務員の合同庁舎や出先機関などの職場を訪れて、面接や業務説明を受けます。
官庁訪問に行くためには、事前に予約を申し込む必要がありますが、官庁ごとに申込み方法が異なりますので、詳しくは各官庁のホームページなどを参照してくださいね。
官庁訪問の内容は様々です。
メインは面接ですが、官庁によってはグループディスカッション、業務説明会、職場見学、先輩職員との会話などがあったりします。
その場で気に入られれば、内々定が出されるなんてこともありますよ!
とにかく、官庁訪問が始まったら、第一志望の官庁にはすぐ申し込みをしましょう。申込みを後回しにしてしまうと、熱意が低いように思われてしまいますからね。
そして、ひとつ注意してほしいのが官庁訪問の面接は1回では終わらないということです。
1回目で落とされれば話は別ですが、見込みがある場合は、再び電話で面接の案内がきます。
だいたい2~3回くらいは面接で官庁を訪れると思っていた方がいいですね。面接の回を重ねるごとに面接官の役職や質問の難易度も上がっていく感じです。
これを聞いて、「え?電話で面接の案内くるの?」と思われた方もいると思います。
実は官庁訪問の2回目以降の面接案内って、電話でくることも多いんですよね。実際に、私が業務説明会で話を聞いた官庁の採用担当者から、面接案内の電話をもらったことがあります。
やはり官庁訪問で自分をアピールしておくと、内定のチャンスは広がるようです。
緊張するな、何聞かれるんだろう?
でも官庁訪問は職場の雰囲気や、仕事の内容を聞けるチャンスでもある
リラックスしていこう!
官庁訪問の時期
国家総合職は人事院面接の最終合格発表後すぐに官庁訪問が開始しますが、国家一般職の官庁訪問は人事院面接の最終合格発表前から行われます。
つまり、志望していた官庁に内定をもらったとしても、人事院面接に合格していなければ、結果として最終合格とはならないのです。
また、併願している方は複数の官庁を訪問することになりますよね。そうなると、官庁訪問の日程がかぶるという事態も発生します。
もちろん国家公務員以外にも、地方公務員試験の面接と日程が重なることだってあります。影分身の術が使えるわけでもありませんから、日程が重なった場合は日程調整が必要になってきます。
都合が悪いので面接の日程をずらして欲しいと伝えることもできますが、官庁側が調整してくれるかどうかは運次第といったところでしょう。
何よりも、その官庁が第一志望ではありませんと間接的に伝えているようなものなので、かなり不利な状況になってしまうことは間違いないです。
たくさん面接を受けて、内定のチャンスを広げたいのはわかりますが、相手の官庁に迷惑をかけるのはよくありません。やはり、第一志望はひとつに絞って、予定が入っているなら正直に片方を断る勇気も必要です。
故に官庁訪問の時期というのは、何かと面接や調整でドタバタすることになるわけですね。
それに伴って、秋以降に受験する筆記試験勉強がどうしても手抜きがちになります。
不安を煽るわけではないのですが、夏の日程で万が一内定を掴めなければ、秋の試験を受験することになるので、特に数的処理などの感覚が鈍るといけない科目は空いた時間に勉強を継続することをおすすめします。
忘れないで欲しいのは、夏の試験で面接まで行けなかった受験生は、あなたが面接でバタバタしている間に秋の試験に向けて勉強しています。
ここで油断すれば、秋の日程では筆記試験を突破できなかった、ということにもなりかねません。
夏の試験を突破した実力はあるわけですから、面接対策に力を入れすぎて、筆記試験のカンを鈍らせないようにしましょう。
A官庁と、B官庁の日程が被った!
ここで、必殺!影分身の術発動!
だけど、他の官庁に訪問できないかを聞いてみるのはアリだよ。
多少出だしが遅れても、面接に案内してくれる官庁もある
官庁訪問の対策
面接の準備をしっかりとしよう
やはり基本は面接の対策が必要です。
自己分析をしっかりして、自分の強みをしっかりとアピールできるようにしましょう。
筆記試験の勉強ばかりで、まだ面接の準備ができてないという方は下記の記事を参考にしてみてくださいね。
情報収集をしよう
第一志望である官庁の情報はホームページなどで事前にチェックしておきましょう。
そこの官庁の組織図や、現在取り組んでいる政策や事業などは押さえておきたいところ。もちろん業務説明会などで、先輩職員からたくさん情報を仕入れることもできます。
わかりやすく仕事の情報をまとめた資料を貰うこともできるでしょう。
積極的に説明会には参加し、仕事のイメージをつけておくと面接の言葉にも具体性がでてきます。
質問を用意しよう
官庁訪問をする前に質問を用意しておきましょう。
官庁訪問では、面接を含め、実際に職員の方とお話しする機会があります。これは職員に質問をすることができ、生の声を聞ける絶好のチャンスです。
やはり質問をすると、その官庁に興味がありますということを伝えることができますし、貴重な情報を収集することもできます。
では、どんな感じで質問する機会があるのかというと、例えば説明会で1人の先輩職員に、受験生がグループごとに集まって雑談タイムを開催するなんてところがありました。
このような場面では、わりと事務対応のような型にはまった解答ではなく、先輩職員のぶっちゃけた生の声を聞くことができます。
私が参加した説明会の中には、「地方公務員と国家公務員ってどちらがおすすめですか?」なんて質問を先輩職員にしたツワモノ受験生もいましたね。
その時に「地方って転勤ないですよね~、ぶっちゃけ、地方公務員がいいと思います」という解答が返ってきたことにもびっくりしました(;^ω^)
まぁ、隣の芝生は青く見えるということでもあるのでしょうが、これも国家公務員で働く職員のホンネなのでしょうね~
このように、雑談は和やかなムードで進むことが多いので、思いきって気になったことを聞いちゃいましょう!
ここで得た情報は、自分の進路を決める上で有益な情報になるはずです!
官庁訪問のNG行為とは
官庁訪問の時によくあるNG行為が、複数の内定を持った状態で官庁訪問を継続することです。
官庁によっては、官庁訪問期間中に内定・内々定をだすところもあります。
内々定の場合は、最終合格発表後に、新ためて採用面接を行い、そこで正式に内定をだすという流れになるようです。
ここで注意なのが、内定を貰えるのはあくまで1つのみというところです。
最初に訪問した官庁に内々定をもらったが、後から訪問した官庁の方が気に入った上にそこでも内々定を貰ったということもあるかと思います。
内々定や内定を複数持っておきたくなることは、リスクを考えれば当然なので、正直言ってこれはしかたないことかなと思います。
民間企業であれば普通に複数内定を持っている人も面接を受けに来るわけですからね。
しかし、基本的に官庁訪問のルールに従うなら、すでに内定をもらってることを後の官庁には正直に伝えるべきでしょう。
複数内定を持った状態で、他官庁の面接を受けることはNG行為だといえます。
採用側も内々定を承諾したということは、最終合格後にうちに来てくれるだろう・・と思い準備を進めますからね。
とはいえ、今の公務員試験で併願することは常識です。
国家で内定を貰っていても、地方上級などが決まって、内定を辞退する方もいるわけです。
国家公務員でも、最終合格後に後者の官庁に内定を貰ったので、前者の内々定は辞退することはありうることです。
やむをえない場合は、官庁にすみやかに辞退する旨を伝えましょう。
上記のようなNG行為が発生してしまうのは、国家一般職試験のシステムが原因です。
国家一般職の場合は官庁訪問とへ並行して人事院面接の選考が行われており、官庁訪問でうまく自分をアピールできた!・・という手ごたえを感じた方でも、人事院面接を通過し、最終合格をしなければ、全てが水の泡と化してしまいます。
国家総合職のように最終合格をした後、官庁訪問が開始されてもよいのでは?と思ってしまいます。
掴みがよかったのに、ぬか喜びをさせられるとへこみますからね。
個人的にですがこのシステムはどうかと思います・・(;^ω^)
まとめ
官庁訪問については、不明確な部分も多いので、必勝法というのはありませんがあえて上げるとするならば最後まであきらめないことです。
官庁訪問や説明会で、ドライな対応をされたとしても、積極的に自分をアピールしていく姿勢が大事です。
過去に私も、官庁訪問中にとある官庁の説明会ブースで、採用担当者とお話する機会があったのですが、まあ、ものの見事に玉砕しました(;^ω^)
いろいろ自分なりに質問したり、答えたりしたわけですが
超ドライな対応、論破ラッシュ、無言タイム・・・これが終始続きました(;´∀`)
絶対にここの官庁は無理だと思い、自ら質問を打ち切って、その日は立ち去ったわけです。
しかし、後日にこの官庁から面接案内の連絡が入りまして、内々定まで出す予定なので、面接に来てくださいとの通知があったんです!
もしかして、圧迫面接だったのかな?と思いつつも、勤務地の問題や、やはり私の中では最初のイメージが悪かったのでお断りをしました。
でも、今思えば内定を掴む大きなチャンスだったと思います。
この後しばらく内々定も何もない状況が続いていました・・
しかし、ここでまた転機が訪れます!
官庁訪問に全く参加しなかった、とある官庁に思い切って電話してみたら、是非面接にきてくださいと言われました。
そこで会った人事の方がとても気さくな方で、職場の雰囲気も良く、気が付けば自分の中で評価の高い官庁になっていたわけです。
そして、何を隠そうこの官庁こそが私が国家公務員として最初に内定を貰うことになった官庁だったんですね。
このように、官庁訪問がうまくいかなかった場合でも、出遅れた場合でも、とにかく足を動かして行動することが大事です。
最後まであきらめず行動することで可能性を広げていくことができますからね。
今日訪問した官庁から、もう一回面接のお誘いが来たよ!
色々と足を運んでよかった~
でも、ちゃんと熱意をもって足を運べば、結果はついてくるはずだよ
最後までがんばろう!