皆さんは公務員にどのようなイメージを持っていますか?
たとえば、
・収入が安定している
・定時に帰れる
・福利厚生が充実している
おそらく上記のようなイメージを持たれている方も多くいらっしゃるかと思います。
しかし、実際に公務員にならないとその実態はわからないものです。
私自身は国家公務員と地方公務員を8年ほど経験しましたが、やはり公務員にならないと気づけないことがたくさんありました。
今回は「公務員は定時に帰れる」というイメージをテーマに、公務員経験者の私がその実態をお話していきます。
私なら定時ダッシュしてゲームする!
でも、実際はいつも定時で帰っているわけじゃないんだよ
Contents
公務員の勤務時間
公務員の勤務時間は基本的に7時間45分です。
ちなみに勤務時間帯は8時30分~17時15分のところが多いです。
参考までに私の経験した国家公務員の出先機関と市役所の勤務時間をあげますと、
■国家一般職のとある出先機関
勤務時間:8時30分~17時15分
昼休み:12時~13時 (窓口の昼当番時は13時~14時まで)
土日祝日は原則休み
※窓口の受付は9時から開始
■とある市役所
勤務時間:8時30分~17時15分
昼休み:12時~13時 (電話及び窓口の昼当番時は13時~14時まで)
土日祝日は原則休み
ざっとこんな感じです。
基本的にどこでも似たり寄ったりであることがわかると思います。
ただし、学校の教員や警察官、消防官といった公安職など勤務時間が長い職種も存在します。
基本の勤務時間というのは、公務員の全てにあてはまるわけではありません。
また、市役所職員は台風や地震などの自然災害発生時や選挙事務などでたびたび臨時召集されるので、勤務時間外でも業務に着手することが多いです。
ここは国家公務員と地方公務員の違いと言えますね。
公務員は定時で帰れる?
さてこの記事のテーマになってくるわけですが、「公務員は定時に帰れる」というイメージに対して公務員経験者として回答をするならば、
・毎日定時に帰れる部署はない
・定時に帰れるかは時期や部署によって違ってくる
このように答えます。
私も実際に公務員になる前は、
「公務員ってチャイムなったら定時ダッシュで帰宅できるんでしょ?」
「てか、お昼ご飯もチャイムと同時に食べだすんでしょ?」
これくらいには思っていました(;^ω^)
しかし、大学の学内公務員講座を受講して夜遅くに家に帰る時、ふと通りがかりのA市役所を見てみると、電気があかあかとついていたんです。
「え?もうこんな時間なのになぜ市役所に人が…?」
さらに通りがかりにある、別のB市役所も同じく電気があかあかと…
「……。」
この時に私の中で、「公務員って夜遅くまで働いてるんだ…」という感覚が芽生えてきたんです。
毎日定時に帰れる部署はない
もちろん公務員には定時に帰れる部署もあります。
しかし定時に帰る頻度が高い部署はありますが、毎日定時で帰るような部署はありません。
おそらく「公務員は定時で帰れる」というイメージを持っている方でも、毎日定時で帰れると思ってはいないでしょう。
では、どういった理由で定時に帰ることができなくなるのか?
私の経験を元に理由をあげますと
・公務員の仕事は自分のペース通りできるわけではない
理由の一つとして、公務員の仕事は自分のペース通りにできるわけじゃないということがあげられます。
例えば
窓口業務なら市民や業者の方がランダムな時間帯で訪れます。窓口がなくても電話の対応もランダムな時間帯で発生します。
窓口や電話でお客の応対をするとなれば、自分がやっている作業をいったん中止せざるをえませんよね。そうなると必然的に仕事の時間が増えてしまいます。
さらにクレームの対応となればさらに時間はかかります。なにか問題が発生すればその処理で1日が終わってしまうこともあるでしょう。
また、風邪や病気、結婚、出産、忌引き、などの理由で職員が長期の休みに入ってしまうと、その職員の仕事を誰かがやらなければなりません。そうなると結果的に自分の仕事量も増加してくることになります。
このように自分が定時で帰れるように計画的に仕事をしていても、さまざまな外的要因によって仕事は中断されたり増えたりします。これが結果的に時間外労働を発生させる理由にもなっているわけです。
これは公務員というより、組織で仕事をする以上は仕方のないことだと思います。
・人は減り仕事は増えている
国民、市民のニーズの多様化、
業務の複雑化
少子高齢化
このような行政を取り巻く環境の変化により、公務員の仕事は増加し、公務員の数は削減されているという背景があります。
私が過去に受験をしたとある市役所の採用人数も、最近確認してみると20人ほど減っていたのだからびっくりです。
よって、必然的に職員一人一人のこなす仕事の量も増えてきており、仕事の内容も幅広く、複雑になってきています。それが残業を増加させている理由のひとつともいえます。
・定時に帰れるかは時期や部署によって違ってくる
定時に帰れるかは時期や部署によっても変わってきます。
どの部署も程度の違いはあれど、繁忙期があります。
例えば私が国家一般職時代に働いていた出先機関では、月末になると窓口が大変込み合うような部署でした。
特に3月は1年で1番の繁忙期であり、毎日のように夜の20時過ぎまで窓口を空けていましたね。
また、市役所の時は国家一般職の時よりさらに繁忙期が多かったです。
予算の時期や議会の時期はとにかくバタバタであり、決算の時期に関してはほぼ毎日が残業であり、土日祝日も度々出勤していました。
2年目、3年目は新しく仕事が増えてさらにカオスな展開に…
う~む、市役所での仕事を振り返ると定時に帰れた日の方が少なかったですね。
また、公務員には激務の部署というのも少なからずあります。
それこそ勤務時間が日をまたいでしまうようなブラック部署もあるんです。
毎日定時で帰れないかどうかはわからないですが、少なくとも毎日定時帰りとは程遠いということがわかると思います。
激務な部署は1~2年で異動できると聞きますが、その部署での重鎮になってしまうとなかなか異動させてもらえなくなるようです。
異動したくてもさせてもらえないと嘆く優秀な同期が私にもいました。何とも皮肉なものですね。
市役所の激務部署については下記の記事を参考にしてみてください。
おわりに
今回は公務員が「定時で帰れる」というイメージをテーマにお話ししました。
なかなかに公務員のイメージは現実とギャップがあるな、と感じた方もいるのではないでしょうか?
ただし、公務員の世界も「ノー残業デー」を設けたり、「有給休暇取得を促進する取り組み」をやっています。全体的に時間外勤務を減らそうとする動きになっています。
なんだかんだ言っても最初に言ったとおり、公務員の「収入が安定している」「福利厚生が充実している」といったイメージは事実であり間違いないです。
公務員が安定してワークライフバランスを意識した生活を送れる職業であることは間違いないですね。
私は公務員になる前に「定時に帰れると思うとキツイから、定時に帰れないものと思って仕事に臨むといい。そうすれば、実際に働いた時にわりと早く帰れるな~と思えるから」
こんなアドバイスを公務員の先輩からもらいました。
公務員ってラクチンみたいなイメージを持っていた私だったので、現実に打ち負かされないようにこの言葉を意識しながら、公務員として最初の1年を過ごしてみました。
すると、確かに最初からハードルを上げておくことで「思ってたよりと早く帰れるな」と思えましたね。
こういう気持ちの持ち方は大事だなと感じました。
皆さんもたくさん情報を入手して、公務員に対するイメージと現実のギャップをなるべく埋めておきましょう。
それでは今回はここまで!
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。